HOME >> 工事評価点アップ・人材育成に効果を発揮 TOC-CCPMのプロジェクト管理手法 |
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■ TOC-CCPMとは TOC(Theory Of Constraints=制約理論)とは TOC(Theory Of Constraints)はイスラエルの物理学者エリヤフ・ゴールドラット博士(Eliyahu M. Goldratt)により提唱されている考え方です。 TOCでは営利企業の目的を、「現在から将来にわたって儲けつづけること」としています。 目的達成のために、会社組織全体の中で、どこにどのように注目すれば良いかを教えてくれる経営の仕組みそのものを変革するルーツです。 会社の強みは生かして、使えるものは使う。工程の中で一番弱い部分を変えていく。下図のように、鎖を引っ張ると一番弱いところが切れてしまいます。この部分を強化していきます。次はその次の弱いところを強化していきます。 TOCの中のプロジェクト管理手法、クリティカルチェーンは、人間の行動特性(パーキンソンの法則、学生症候群、悪いマルチタスキングなど)とアルゴリズム(タスクの従属性とリソースの競合を最適化する調整)に目を向け、全体最適化(安全余裕の集約)の観点から開発されたプロジェクト管理手法で、目標スコープと予定コストを維持し、プロジェクト期間が大幅に短縮できるシステムです。 クリティカルチェーンによる人間行動特性 タスク実行における人間の問題行動に焦点を当て、それを自然に正すような考え方に基づいて、工程計画と工程管理を行うものです。クリティカルチェーンでは、プロジェクトマネージメントにおける人間の問題行動として以下を挙げています。 (1)人間心理から見た遅れるメカニズム(従来業務の考え方) @各タスクの見積もり時間の制度を上げ、安全余裕を入れることで納期が守れる。 Aタスクは掛け持ち(マルチタスク)した方がプロジェクトは早く終わる。 B各タスクはできるだけ早く取り掛かった方がプロジェクトは早く終わる。 Cすべてのタスクを詳細に管理することで、プロジェクト納期が守れる。 上記@〜Cは「個別最適の和は全体最適になる」前提です。この前提は間違っている場合もあります。プロジェクト活動は人間活動です。人間の行動特性(心理)にも目を向けた管理をしなければいけませんが、従来管理ではこの点が欠けていました。これを必然的に改善するような工程計画をたてるのがクリチィカルチェーン手法です。 (2)人間の行動特性から見た遅れるメカニズム プロジェクトの不確実性は知っています。このため、工程を立てる時点では安全余裕を見込んでいます。責任者の一律カット、担当・上司もすべて余裕を見込んでいます。このため、最後にできた工程は、90%以上の確率で完了する工程となっています。したがって、半分は余裕になります。 (3)遅れの伝播(安全余裕をムダにする仕組みと心理) 仕事を行う場合、「遅れは後続のタスクに伝播し、進みは伝播しない」 @直列関係タスク 人間の行動特性で、早期完了をしてもそれを後続のタスクに引き渡さないために、早期完了のメリットが伝わりません。しかし、遅れは物理的に伝播します。 A並列関係タスク あるタスクが早期完了しても、別のタスクが遅れると、合流する後続のタスクの遅れたタスクの終了をまたなければ次はスタートできません。 (4)パーキンソクの法則 与えられた予算と時間は使ってしまうのが一般的です。なぜか工期全てを利用した工程表を作成してしまいます。 @仕事は、予定工数をすべて使い切るように拡大する。 A早く終わりそうになると、手直しを行ったりして納期がくるまで仕事を抱える。 B上司は予定日に完了すれば満足する。 C見積もり時間が約束時間になると、その通りに行なうようにする。 D早く終わったら、次から工事の工期が短くされる。 (5)学生症候群 学生の宿題、テスト日までに時間の余裕がありすぎると、別のことに取り掛かって、ぎりぎりまで着手しない。この結果、最後に問題が発生し、間に合わなくなる。 @十分時間があってもぎりぎりになるまで、業務に着手しない。 A業務の重要度に関係なく、急ぐ仕事に着手するために十分あった工期が十分でなくなる。 Bマーフィー(予想外のこと)が業務の終わりに現れ、納期が守れなくなる。 (6)マルチタスキング 幾つかの重なったタスクを同時に行なうと(マルチタスキング)、個々のタスクのスタートから完成までの期間(リードタイム)が異常に長くなります。業務を交互に行うと混乱を助長し、プロジェクト期間を長くしてしまいます。 シングルタスクのリードタイム マルチタスクのリードタイム クリチィカルチェンの人間特性理論を考慮した管理手法 人間の問題行動がそれぞれのタスクに潜んでいる事を確認し、それらが自然に排除されるよう工程計画と工程管理を実施します。これらの問題を最小にするために、以下の事を配慮して工程計画を行ないます。 ■積極的なスケジュール 工程の各タスクのサバを排除し、できるかできないかギリギリ50・50(業務内容により変更)の工期で進めます。 ■早期完了の報告 次回のスケジュールを短縮しないことを保証して、早期完了を報告してもらいます。 ■リレー走者の労働倫理 始めるのはバトンを渡されてから、一旦始めたら可能な限り早期に終わらせ次工程に渡します。 ■遅れてもペナルティーなし 最初から半分は遅れる予定なので、遅れてもペナルティーはなし→個別のタスクではなく、プロジェクト全体の工程を管理を行います。 ■余裕を統合して、全体余裕(バッファ)で管理 あと何日かかる?で管理する→個別のタスクではなく、プロジェクト全体の工程を管理し余裕をみんなで共有します。 ■マルチタスクなし その時は1つの業務に集中する保証。 以上の内容をよく吟味すれば、TOCが言わんとすること、「人間行動を正すと言うより、むしろ、それが自然に正されるような環境を作りなさい」ということだと解ると思う。 「遅れを出さない管理」クリチィカル・チェーン手法の手順 (1)クリティカル・パス全体を管理する「プロジェクト・バッファ」 全体最適化の考えを基に、@人間の行動特性に目を向け、A科学的アプローチで、Bプロジェクト管理(スケジュル、実行、進捗管理)を行ないます。 計画は完成できる可能性の50%工程(その工事により変化)を立てます。これにより、当初の工期が40%削減します。 管理者は、バッファで残数を管理できるので管理が容易となります。 (2)クリチィカル・パス上にないタスクを管理する「合流バッファ」 全ての合流点の前にもバッファが必要です。非ボトルネックのステップでも、ボトルネックになり、スルーストップをロスさせないように設けます。 (3)必要なリソースを予約するリソースバッファ 同業務、他業務で、同じリソースが掛けもちで使われる場合があります。これがリソースの競合問題です。事前予告で、1週間前、3日前などと、何回か事前に使用する計画を確認するように習慣づけます。 (4)クリティカル・パス「クリティカル・チェーン」へ リソースは一度に一つのステップしか作業できないことが制約条件です。作業をずらすし、作業は重複させないようにします。 (5)結果:ヒト的リソースを徹底的に活用(リソースを最大稼動させるための鉄則) 業務は一般的には遅れがちで、かつ、遅れが表面化しません。遅れが表面化したときこそ、クリティカル・パス上の作業に集中します(全体の進捗は好転する)。 仕事の掛け持ち作業をなくすこと、雑用から開放することで「ゆとり」を持つことの効用が発揮されます。 @リードタイムが短縮し、スピードが劇的に短縮される。 A組織に柔軟性が生まれ、部門間の連携が活発化する。 B組織を継続的に改善していく活力が生まれる。 C人材を維持しやすくなる。 Dボトルネック・リソースが明確になり、強化すべき機能が明確になる。 ボトルネックのみを着目し、ここが予定どおり仕事をしていれば、全体の納期は間に合う考え方ができれば、作業はスムーズに変わります。 |
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